皆さま、こんにちは。 株式会社保険ネットワーク山形、代表取締役の小野愼弥です。
巨大な地震などの自然災害が発生した際、店舗や工場、オフィスから一度避難したものの、「レジの現金が心配で取りに戻った」「被災状況を本部に報告・写真撮影するために建物に入った」ことで、その後に起きた爆発や火災、建物の崩壊といった「二次災害」に巻き込まれてしまう——。
過去の災害でも、こうした非常に悲惨な事故が実際に起きています。
「会社のために」「報告しなければ」という従業員の真面目な想いや、本部からの何気ない状況確認の指示が、結果として取り返しのつかない大事故につながってしまうのです。
今回は、災害発生時における企業・管理職の「安全配慮義務」と、二度とこうした惨劇を起こさないための「BCP(事業継続計画)・安全指示のルール作り」について解説いたします。
「写真撮影や現金回収のために現場へ戻る」ことの重大なリスク
結論から申し上げますと、避難後に危険な現場へ従業員を戻らせることは、BCP(事業継続計画)や安全管理体制における決定的な不備と言わざるを得ません。
1. 法的責任(安全配慮義務違反・業務上過失致死傷)
会社には、労働契約法第5条に基づき「従業員の生命・身体の安全を確保する(安全配慮義務)」責任があります。 余震やガス漏れ、火災などの二次災害のリスクが残る現場へ「写真を撮ってきてほしい」「状況を見てきて」と指示を出したり、現場に戻るのを制止しなかったりした場合、会社や指示を出した管理職には著しい安全配慮義務違反(重大な過失)が問われます。
最悪の場合、巨額の損害賠償責任が発生するだけでなく、業務上過失致死傷罪などの刑事責任、そして企業の社会的信用失墜という致命的なダメージを負うことになるかもしれません。
2. 「写真は後からで良い」という誤解の解消
現場で焦ってしまう原因の一つに、「早く被害写真を撮って保険会社や行政に提出しなければ」という誤解があります。 しかし、保険金請求や公的支援の申請において、二次災害のリスクがある中で撮影した写真を求めるようなことは絶対にありません。安全が100%確保された後、あるいは消防等の立ち入り許可が出てから撮影・調査を行えば十分に間に合うのです。
悲劇を防ぐために企業が今すぐ徹底すべき「3つのルール」
会社と従業員の命を守るため、今すぐ社内ルールやBCPマニュアルへ反映すべきポイントは以下の3点です。
① 「二次立ち入り絶対禁止」の厳格化
② 「命より優先される財産はない」という明確な方針提示
③ 本部・管理職向けの「災害時指示ガイドライン」の策定
おわりに〜社員の命を守ることが、会社の未来を守ること〜
災害時、従業員が「会社のために」と思ってとった行動が命取りになることがあります。 だからこそ、会社があらかじめ「戻ってはダメだ」「写真やお金は二の次で良い」という命を守るための正解を提示しておかなければなりません。
災害の悲劇から学ぶべきは、防災設備の導入だけでなく「人の行動と指示のルール」を見直すことです。
株式会社保険ネットワーク山形では、企業ごとの事業内容や店舗形態に応じたBCP(事業継続計画)の策定サポートや、災害時の安全管理体制に関するご相談も承っております。
大切な従業員の命と、貴社の未来を守るために、ぜひ今一度社内の避難ルールをチェックしてみてください。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。